広蔵市場の“ピンデトッ”の隣にあるオリーブヤング
60年の歴史を持つ広蔵市場の中心に2026年4月オープンした「올영양행(オリヤン洋行)」は、伝統市場のレトロな雰囲気を生かしながら、KフードとKビューティーを組み合わせた新たな観光動線を生み出している。元空き店舗への出店にあたり、市場の代表的なグルメと重なる商品を避け、反物街の小道具やオブジェを取り入れ、パーソナルカラー体験やフォトゾーンなどを用意して、市場内の回遊と滞在時間の増加につなげた。オープンから2か月で認知が広がり、売上高の約80%を外国人顧客が占め、1日の売上高が約1000万円を突破することもあるなど、広蔵市場にはKビューティーを楽しむ観光コースが加わっている。
“ピンデトッ”*がジューッと焼ける音、ユッケ通りを埋め尽くす外国人観光客の合間に見え隠れする緑の看板。
今、広蔵市場で最も新しい風景、それが「올영양행(オリヤン洋行)」です。60年の歴史を誇る伝統市場とオリーブヤング。一見すると不釣り合いに思えるこの組み合わせには、一つの原則が込められています。それは「市場に活気を与える」ことです。
*韓国の伝統的な緑豆チヂミのこと

「올영양행(オリヤン洋行)」がオープンして2か月、市場に生まれた最も若々しい変化
「ピンデトッ通りはどこですか?」 広蔵市場ではおなじみの質問です。しかし最近、市場で働いている人たちがもう一つよく耳にするようになった質問があります。「オリーブヤングはどこですか?」
2026年4月、ソウルを代表する伝統市場である広蔵市場の中心にオープンした「올영양행(オリヤン洋行)」。市場になじむレトロな外観のおかげで、当初は「ここが本当にオリーブヤングなのか」という反応も少なくありませんでした。しかし2か月が経過した今、この特別な店舗はいつしか広蔵市場を訪れる国内外の観光客たちの新たな目的地となっています。
実際に広蔵市場を歩いていると、ピンデトッ店の前に並んでいた観光客が自然に2階への階段を上り、老舗や生地屋の間を抜けて「올영양행(オリヤン洋行)」へと向かう姿を多く目にします。
KフードとKビューティーが調和して織りなす、新たなKカルチャーの観光コースが生まれているのです。

空きスペースが人を惹きつける空間へ
「올영양행(オリヤン洋行)」が出店した場所は、元々空き店舗でした。かつて韓服や反物屋が集まっていたエリアが時代とともに変化する中で、自然と生まれた空きスペースだったのです。広蔵市場商人会のイ・ブヨン会長は「空いていた場所にオリーブヤングやスターバックスのような有名ブランドが入ってきたことで、市場全体に良い効果が生まれました」と話します。
市場で働く人々がオリーブヤングを歓迎した理由は他にもあります。広蔵市場の代表的なグルメや他店舗と被る商品は意図的に販売せず、市場を巡った後に自然とオリーブヤングへ、そして再び市場へとつながる回遊動線を設計したためです。
「ニュースを見て若い人たちがより多く訪れるようになりました。市場を一回りしてからオリーブヤングに立ち寄り、またオリーブヤングに行った後に市場を巡ったりしています。外国人観光客も同様です。市場全体がより活気づいているのを実感しています。」
— 広蔵市場商人会 イ・ブヨン会長
市場で働く人々が話す変化は、数値以上に現場の体感に近いものでした。人々がより長く滞在し、より多く歩き、より多様な店舗を見て回るようになったのです。

広蔵市場にビューティーツアーが誕生
「올영양행(オリヤン洋行)」を運営するイ・ドヨン ヘッドストアマネージャーも、最も大きく変わった点として「市場のコンテンツ」を挙げました。
「以前は広蔵市場といえばグルメツアーやイブル(布団)ツアーが定番コースでしたが、現在はKビューティーツアーも一緒に体験する観光客が本当に増えました」
広蔵市場はすでに外国人にとって必須の観光コースです。そこに「올영양행(オリヤン洋行)」が加わったことで、市場の中でKビューティーを体験する時間が自然と追加されました。
実際の「広蔵マーケット店」の訪問者数は韓国人と外国人が同等の割合ですが、売上高の約80%は外国人顧客が占めています。市場で働く人々も「外国人からオリーブヤングの場所をよく聞かれる」と語り、「市場の中にオリーブヤングができてから観光客の滞在時間が長くなったようだ」と口をそろえます。
市場の中にKビューティーが入ってきたというよりも、市場自体がKビューティーを内包する新たな観光コンテンツへと進化したと言えます。

一箱のお餅から始まった、地域とのつながり
イ・ドヨン ヘッドストアマネージャーをはじめとするオリーブヤングのスタッフが「올영양행(オリヤン洋行)」を準備する中で、大きな懸念がありました。「若いブランドであるオリーブヤングが、数十年間にわたり市場を守ってきた市場の人々と自然になじむことができるだろうか?」
工事期間中には反物屋の店主の理解を得るため直接挨拶に回り、オープン当日には”開店祝いのお餅”を配りながら改めて感謝の気持ちを伝えました。その過程で、予想もしなかったポジティブな反応も生まれました。
全国で唯一無二の「反物街」のコンセプトを取り入れた店舗であるという説明を受けた店主たちは、自分たちの職場が店舗デザインとして再解釈されたことを大変喜びました。実際に店内随所には反物街で使われていた小道具やオブジェが活用されており、伝統生地を活用したパーソナルカラー体験空間にも広蔵市場ならではの特徴が込められています。
何より、2階の反物街を訪れるお客様自体が目に見えて増えたことが、店主たち共通の声となっていました。

広蔵市場で50年間にわたり婚礼用結納品(ペベク)店「다만폐백(タマンペベク)」を営むチョ・ミョンジャ店主は、「オリーブヤングのような大手ブランドが入ってくると、小さな店も結果として助かることになります。見どころが増えるので、市場を再び訪れる理由がもう一つ増えたということです。」と話しました。
「ここ、本当にオリーブヤングですか?」
オープン当初は、「올영양행(オリヤン洋行)」の看板が掲げられたこの店舗を、お客様がオリーブヤングだと気づいてくれるかスタッフは不安に感じていました。レトロ調の看板のため「偽物のオリーブヤングではないか」と言われることもあり、2階というロケーションも懸念材料でした。しかし、その心配は長く続きませんでした。
観光客がSNSやブログ、リールを通じて店舗の様子を拡散し始め、「広蔵市場に行ったら必ず立ち寄るべきユニークなオリーブヤング」という口コミが急速に広がりました。通常の店舗よりも体験要素を大幅に増やしたことも功を奏しました。スタンプラリーを達成するとフォトゾーンで即席写真を印刷してくれるプログラムや、市場の雰囲気を取り入れたレトロなフォトゾーン、多彩なビューティー体験コンテンツのおかげで、お客様は店内に長く滞在しました。
「ここは全国どこにでもあるオリーブヤングとは違いますね」。心配をよそに、店舗は口コミの広がりとともに急成長を遂げ、1日の売上高が約1000万円を突破することもありました。
歴史ある市場の最も新しい風景
広蔵市場は長年にわたりソウルを代表する伝統市場でした。
そして今、その歴史ある市場の中で”ピンデトッ”を食べ、生地を眺め、”ペベク店”を巡り、Kビューティーを体験する1日が、ごく自然な観光コースとなっています。「올영양행(オリヤン洋行)」がオープンして2か月。市場の人々は口をそろえて「若い活気が生まれた」と語ります。“ピンデトッ”の隣にあるオリーブヤング。最初は思いがけない印象を与えたこの組み合わせは、いつしか広蔵市場を代表するもう一つの風景となっています。




